プロローグ
 この英語の発想がわからないから英語が自由に話せない!
〜英語発想を身につけなさい〜

●これが生の英会話の一場面だ
公園でブランコの順番を待っていた幼い子供が、乗っていた友達に声をかけます。

Can I? (ケナイ?) ※上げ調子

こう問われた子供は、「いいよ」と言ってブランコを譲ります。

Sure. (シュワー)、あるいはYes, you can.

あるいは次のように問う場合もあります。上げ調子で相手に問えば、十分「ブランコを使ってもいい?」といった表現にもなりえます。

Use the swing? ※上げ調子

このような表現は幼い子供たちに限ったことではありません。相手のボールペンなどを手に持ち、「ボールペンを貸してください」といった大人間での表現でも同じです。

May I?(メイアイ?) ※上げ調子
Use your pen? ※上げ調子

もちろんこの場合、May I use your pen?(ペンを貸してもらっていいですか?)ときちんと表現することもあるが、こんなワンレーズだけでも十分意思を伝えることができる。これが生の会話の一場面です。つまり相手が求めている行為が何か分かれば、Can IやMay Iとだけ言ったり、逆にUse the swing?やUse your pen?などと上げ調子で行為をそのまま言えばそれでも十分通じるものなのです。

●英文は2つのフレーズの組合せで成り立つ
私は、このCan IやMay Iといったフレーズ(意味ある単位)をファンクションフレーズと呼んでいます。このフレーズは「私は〜していい?」「私は、〜していいですか?」など主体と情緒などを表すフレーズで、ここでは相手に許可を求めています。
一方、そのフレーズに結びつく青文字部分で示したフレーズを動詞フレーズと呼んでいます。ここではuse the swingとuse your penがそうですが、これらも「意味ある単位」となっています。
英文は、このファンクションフレーズがまるで蒸気機関車のように、後ろの動詞フレーズを牽引するような働きをして成り立っています。

ファンクションフレーズ+動詞フレーズ
Can I+use the swing?
May I+use your pen?

●人間の言葉の感覚を無視した教育文法
文法ではcanやmayは助動詞とされ、「助動詞は原形の動詞をとる」などと説明されています。私たちはそのような文法的な理解が「英語が話せる」ことに結びつくと教えられてきました。もちろんmayやcanには動詞の原形が結びつきます。ところがcan useとかmay useだけを取り出して、「使える」「使ってよい」とその意味をとらえたところでそれがそのまま英語表現に結びつくでしょうか。確かにそれが文法問題に登場してその正解を得るという点においては有効かもしれませんが、ただそれだけのものです。よく 英会話学習者に「せめて中学英語くらいの文法は身につけなさい」といったアドバイスがあったり、教育文法を焼き直した英会話用の文法書がありますが、私はこれが英会話の基礎となるとは決して思えません。

●学習時間に応じて確実に語彙や表現を確実に定着・蓄積させる
文法を理解したところで英語が話せないという現実に対して、「英会話は役に立つ英文や頻繁に使われる表現などを覚えければならない」と一足飛びに向かう英会話本も多くあります。でもセリフ覚えのように一文丸暗記をいくらしても、その情報は固定され、それが有効な場面や状況はとても限られています。しかし「英語はファンクションフレーズと動詞フレーズの順列組合せだ」ととらえると、英語はとてもシンプルで合理的なことばとして今まで見えなかったまったく異なった姿を見せてくれます。
ネイティブの子供たちは、ことばを定着していくプロセスでは様々なファンクションフレーズを身につけていきます。例えば以下には「私、〜していい?」「君、〜したいの?」「〜していいの?」といったファンクションフレーズが、

Can I use the swing?
Do you want to use the swing?
Is it all right to use the swing?

さらに成長に応じて様々なファンクションフレーズを身につけていきます。

May I use your pen?
Would you like to use my pen?
Would it be all right to use your pen?

また一方で、様々な行為や状態を表す動詞フレーズを身につけ、表現を拡大していきます。

Can I be here? ぼく、ここにいていい?
Do you want to be here? 君、ここにいたいの?
Is it all right to be here? ここにいていい?

May I be here? 私、ここにいてよろしいですか?
Would you like to be here? あなた、ここにいたいのですか?
Would it be all right to be here? ここにいてよろしいでしょうか?

つまり英語表現を身につけるというのは、学習時間に応じてファンクションフレーズと動詞フレーズをどれだけ覚えるかということにつきるのです。

●英語脳、英語の回路ということ
私たちは日本語を話すときに、文法を意識して話す人はいません。このことは彼らネイティブもまったく同じです。ネイティブの子供たちは学校に行くまで特に文法を教えられることはありません。しかし彼らはすでに英語を話しているのです。もちろんこのことは日本語を話す私たちも同じです。
大切なことは、彼らは文法学習によって英語脳、英語の回路を身につけたのではないということです。生まれた環境でそれは作られてきたものてす。もちろん私たちがそれを初めから体験することは不可能です。しかしそれを短期間に効率的に追体験することは可能です。それは英語を特に教育文法ではなく、もう一度英語発想とはどんなものかを知ることから始まります。

●ファンクションメソッドとは
このファンクション・メソッドという英語理論は、元もとコンピュータを使った英会話学習ソフトを作る過程で生まれたものです。コンピュータにはファンクション・キーというものがあります。これはある一定の機能を指示するためのキーですが、ある一定の機能をもった単語の集まり、つまり一定の主体と時制や情緒などを宣言してしまう英語の発想はこのファンクション・キーととてもよく似ています。キーを押すように、ファンクションフレーズを宣言することで様々な情報豊かな文が即時に作れます。その発想からこの理論をファンクション・メソッドと名づけました。

【本書の構成について】

本書は、「幸せよ=be happy」と「彼女に電話する=call her」という2つの動詞フレーズをキーワードとして様々な表現展開を学習していきます。
まず第1章においては「幸せよ」や「時々彼女に電話する」といった事実表現について学習します。この場合、[英会話の九九 テーブル」を基本にして英語脳・英語の回路を身につけていただきます。ここでは、時間軸として現在、過去、未来、現在完了という4つの基本時制、そして場所軸としてそれらにおける肯定、否定、疑問、否定疑問表現を展開します。

I am happy. I sometimes call her.

第2章も事実表現ですが、「今彼女に電話している」や「彼女から電話をもらう」といった進行形や受身形についての学習です。ここでも[英会話の九九 テーブル」を基本にして、ここでは、時間軸として現在、過去、未来、現在完了という4つの基本時制、そして場所軸としてそれらにおける肯定、否定、疑問、否定疑問表現を展開します。

I am calling her. I am called by her.

第3章においては、「幸せになりたい」「あなたに幸せになってもらいたい」や「彼女に電話したい」「あなたに彼女に電話してもらいたい」など、展開型ファンクションフレーズへと表現を拡大します。展開型ファンクションフレーズとは、[英会話の九九テーブル」を基礎にして、さらに応用的な表現展開となります。

I want to be happy. I want to call her.
I want you to be happy. I want you to call her.

第4章においては、「彼女に電話していい?」の「許可」や「彼女に電話してくれない?」の「依頼」など応用・目的別にした12の展開型ファンクションフレーズを展開します。

Can I call her? Will you (please) call her?

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