その3 補語が方位副詞のパターン
(a) 方位副詞をVC感覚で使って

●方位副詞における日本語と英語の発想の違い
まず方位副詞upやdownを使った以下の例文を見てください。

I am up.
 V C
I am down.
 V C

upとdownはそれぞれ、「上に」「下に」と位置関係を表し、一応「私は上にいる」「私は下にいる」と訳せます。しかし一方で、upは「私は元気です」「私は起きています」と、downは「私は打ちのめされた」「私はがっかりした」とか、さらにその主語をコンピュータや機械とすると「故障した」といった意味にもなります。
つまり英語の発想には、方位副詞は具体的な位置関係や場所を表す場合と、それを心理的な状態まで類推するという場合があります。この後者をメタフォー(類推適用)と言われています。

Mom: Kathy, are you up?
キャシー、あなた、起きてるの?
Get up!  The sun is up.
起きなさい お日様が出てるよ
Kathy: I am up.
私、起きてるよ

(方位副詞とその本質的な意味]
about 「周囲」 around 「丸」
back 「後退」 ahead 「前方」
here 「ここに」 there 「そこに」
in 「範囲内」 out 「範囲外」
on 「密着・継続」 off 「中断・急速離脱」
away 「離脱状態」
up 「上方」 down 「下方」
over 「覆う」
through 「貫通」

方位副詞にこのような「本質的」な意味を当てはめたのは英語をイメージとしてとらえるために便利だと思うからです。「〜について」とか「〜の上に」といった意味ではとらえきれない英語の発想を、「大きな網をかぶせて自分なりのイメージを作り上げる」作業が大切です。

●Be off.とBe away.の意味の違いがわかりますか?
offは本質的に「急速離脱」の意味を持ち、awaayは「離脱状態」を意味します。日本語訳ではどちちらも「立ち去る」といった意味となりますが、この本質的な意味をおさえておくと意味の違いがはっきりします。

Be off!
さっさと立ち去れ
Be away!
ここからいなくなれ、どっかに行っておしまい!

●be動詞の表現から一般動詞を使った表現に展開する
例えば、get upを「起きる」と覚えている人が多いと思いますが、これはgetが「ある状態への移行」、つまり「〜な状態になる」という意味です。upと結びつくと「上方の位置関係の状態になる」ということとになります。これは本来「身を起こす」「起きあがる」ということです。
このようにbe upといったbe動詞のフレーズは「起きている」とある意味で静止的な意味ですが、getといった一般動詞を用いると動的な表現となります。

(Be) Up! Get up!
起きなさい!
(Be) Down! Get down!
伏せなさい
(Be) Away! Get away!
ここからいなくなれ!
(Be) Off! Get off!
さっさと立ち去れ!
(Be) Out! Get out!
外に出なさい

[Let's try-111]
 VC感覚の動詞フレーズ 補語が 方位副詞のもの be動詞

(1)
A number of servants were around the house. 「円周」
その家には多くの使用人がいました

(2)
Influenza is about. 「傍ら」
インフルエンザが流行っています

(3)
The station is three blocks away. 「離脱状態」
その駅は3ブロック離れています

(4)
Bill is away on business.
ビルは仕事で不在です / 出張中です

(5)
The house is bcak from the road. 「後退」
その家は道路から引っ込んだ所にあります

(6)
I'll be back soon.
すぐに戻ります

(7)
We have been here for a long time. 「ここに」
私たちはずっと長くここにいます

(8)
She will be here soon.
彼女はまもなくここに来るでしょう

(9)
Is he in? 「範囲内」
彼はご在宅ですか?

(10)
Miniskirts are in agian.
ミニスカートがまた流行しています

(11)
Let's be off. 「急速離脱」
出かけましょう

(12)
The milk is off; throw it away.
そのミルクは腐っています、捨てなさい!

(13)
The light is on. 「密着・継続」
明かりがついています

(14)
Are you on?
あなたも参加しますか?

(15)
Father is out. 「範囲外」
父は留守です

(16)
The fire is out.
その火は消えています

(17)
I'll be right over. 「覆う」
すくに(そちらに)行きます

(18)
School is over at three.
学校(授業)は3時に終わります

(19)
Are you through with it? 「貫通」
それはもうよろしいてですか? /(新聞などを)読み終えましたか?

(20)
He's through with alcohol.
彼はアルコールをやめました

※VC感覚の動詞フレーズとは、一定の動詞(V)が補語(C)を導いてひとまとまりの意味を表すものてです。
 ただし、ここでは補語となっているのは方位副詞です。
SORRY: (1)の文例はaroundが前置詞となっているもので、around the houseと前置詞+名詞が補語となっています。

現在形 過去形 原形 ing形 ed形
(am, are, is) here (was, were) here be here being here been here

[Let's try-112]
 VC感覚の動詞フレーズ 補語が 方位副詞 get

(1)
The old lady still gets about. 「周囲」
その老婦人は今でも歩き回っています

(2)
The rumor will gets about quickly.
そのうわさはすぐに広まるでしょう

(3)
She got away at five. 「離脱状態」
彼女は5時に出かけました

(4)
Get away with you!
さっさと出て行け!

(5)
I won't get back soon. 「後退」
私はすぐに戻りません

(6)
You don't have to get back here again.
あなたはもう一度ここに戻ってくる必要はありません

(7)
Can you get here by lunchtime? 「ここに」
あなたは昼時までにはここに来ることができますか?

(8)
Get here by one o'clock.
1時までにここに来なさい!

(9)
We couldn't get in. 「範囲内」
私たちは中にはいることができませんでした

(10)
At what time does this bus get in?
このバスは何時に(目的地に)着きますか?

(11)
Get off! 「急速離脱」
とっとと失せろ!

(12)
I will get off at the next station.
次の駅で降ります

(13)
Get on at First Avenue! 「密着・継続」
1番街で乗りなさい!

(14)
How is your work getting on?
あなたのお仕事の進み具合はいかがですか?

(15)
Get out! 「範囲外」
出て行け!

(16)
Get out of here!
ここから出て行け!

(17)
Can we get through at the gate? 「貫通」
私たちは門の所を通り抜けできますか?

(18)
When you get through, have tea with me.
あなたは仕事が終わったら、私とお茶を飲みなさい

(19)
I'm gettng up. 「上方」
今起きるところです

(20)
Please don't get up.
どうか座っていてください

※ここでは一般動詞getが方位語を補語にとっている文例をとり上げました。

現在形 過去形 原形 ing形 ed形
get(s) back got back get back gotting back got back

CLOSE